脂肪

脂肪は、炭素、水素、酸素が一定の配列で結合した化学構造を示す脂肪酸とグリセリンとが結合してできた物質で、その紹介のしかたによっていろいろな種類のものがあります。
正しくは脂質と総称され、そのうち液状のものを油、個体状のものを脂肪とよんでいますが、ここでは、便宜上、たんに脂肪とよんでおきます。

 

脂肪は、前述のように、脂肪駿とグリセリンの結合したものですが、これに窒素、燐、硫黄などが加っている特殊な脂肪もあります。また、脂肪酸には、炭素の結合のしかたのちがう飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があるというように、その化学構造は複雑多様です。そのため、脂肪が食物として体内にとりいれられてからも、それぞれちがったはたらきをします。

 

栄養示としての脂肪は、カロリー価の高いことで、タンパク質や糖質にくらべてはるかにまさっています。
すなわち、タンパク質と糖は、それぞれ1グラムにつき4.1カロリーを出すのに対して、脂肪は1グラムにつき9.3カロリーを出します。

 

脂肪はこのように効率のよいカロリー源としてだけではなく、皮下脂肪、臓器脂肪あるいは脳神経組織の脂肪として、からだの組織づくりや保護に役立っています。

 

また、特殊な脂肪のなかには、体の機能の調節のはたらきをしているものもあります。

 

しかし、脂肪のなかには、コレステロールをふくんでいるものもあって、このコレステロールが血液中にふえると、血液や血管にわるい影響をあたえることが知られています。動脈硬化は、主としてコレステロールが血液中にふえることが原因であるといわれています。

 

コレステロールは、植物性脂肪にすくなく、動物性脂肪に多くふくまれています。
したがって、動物性脂肪を多くとっている人は、血液中のコレステロール濃度が高くなり、それだけ早く血管の老化現象、すなわち動脈硬化かあらわれるといわれています。

 

もっとも、コレステロールは脳髄や胆汁、性ホルモンの成分として必要な物質でもあり、動物性脂肪をとればだれでも動脈硬化か早くなるというものでもありません。
若い人は、動物性脂肪を多くとっても、体内でこれを処理する能力も大きいから、あまり障害はないといえます。
しかし中年以後の人は、処理能力もおとろえますから、血清コレステロール濃度が高くなり、動脈硬化をうながすことにもなりかねません。

 

また、脂肪は、血液の凝固性とも関係があるとされています。
血液は、体内では凝固しない性質をもっていますが、動物性脂肪は、血液をかたまらせるはたらきをし、そのためにできた血液のかたまりが血管をつまらせて、血栓とよばれる状態をつくるといわれています。脳の血管にこの血栓ができると、脳血栓となり、脳軟化をきたします。

 

 

 

脂肪の必要量

 

脂肪は、カロリー価が高く、また、からだの組織や、機能の調節に欠かせない重要な栄養としての一面と、動脈硬化うながすはたらきをするマイナスの面をもっていますので、そのとり方は、その人の健康状態その他の条件を考えて、適量でなければなりません。

 

ある統計によると、脂肪の摂取が、総カロリーの40パーセントに達している人の場合には、動脈硬化による死亡率が高く、20パーセントに達しない人のばあいには、動脈硬化による死亡率が低くなっています。

 

また、おなじ脂肪食品のうちでも、その構成に関係のある脂肪酸が、不飽和度の高いものは、死亡率が低いといわれています。

 

脂肪酸については、脂肪の成分の一つであって、飽和脂肪酸はコレステロールを増やし、不飽和脂肪酸は、コレステステロールを減らすはたらきをします。
そして、動物性脂肪は飽和脂肪酸が多く、植物性脂肪は不飽和脂肪酸が多いのですから、高血圧や動脈硬化のある人は、植物性脂肪をとるのがよいといえます。

 

 

日本人の脂肪のとり方が、欧米人にくらべてすくないといわれているのは事実です。
したがって、平均36グラムでは不足しているということがいえますが、動脈硬化の予防という面では一日40〜50グラム程度がよいということになりましょう。
また、すでに動脈硬化が起きている人は、一日35グラム以下、動脈硬化の強くあらわれている人は、一日20グラム以下に制限することがのぞましいといえます。

 

 

 

脂肪を多くふくむ食品類

 

脂肪は、主として動物のからだ、植物の種実などにふくまれていますので、わたくしたちは、これらの動物のからだ、特に肉や肝臓、植物の種実
から製品化し、あるいはそのままで食物としてとっています。

 

バター、ラードなどは、それぞれ牛乳、豚、牛から脂肪分だげをとって食品としたものであり、食用油としてのごま油、なたね油、米油、大豆油、落花生油などは、植物の種実から製品化したものです。
また、マーガリンも、動物や植物から脂肪分をとりだしてつくったものです。

 

これらの油脂類が、脂肪を多くふくむ食品であることは説明を要しません。
そのほかの食品としては、くじらの脂身、豚のバラ肉、ベーコン、ごま、落花生が脂肪を多くふくんでおり、マヨーネーズやドレッシングなども、油を多くふくんでいます。

 

なお、ごまと落花生は、脂肪の含有率に差はありませんが、食用としてとる場合いには、ごまは量的にきわめて少量であるのに対して、落花生はとりすぎがちですから、結果的には脂肪のとりすぎになるおそれがありますので、注意を要します。

 

 

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