物理療法

薬を使って病気を治療する方法を薬物療法または化学療法とよぶのに対して、薬を使わないで、物理的な刺激、たとえば光線、熱、電気などのエネルギーを、器械装置を用いていろいろな形に変え、これを人体にあたえて、そのはたらきで病気の治療や予防、あるいは健康増進をはかる方法を物理療法といっています。

 

 

物理療法は、主として皮膚を介しておこないます。
皮膚に刺激をあたえると、充血して、循環機能の障害が改善され、血行がよくなります。
また、ホルモンの分泌をうながし、臓器のはたらきもよくなるといわれています。

 

高血圧の治療は前に述べた薬物療法と食事療法をふくめた日常一般療法で十分行なわれているので、最近は物理療法はほとんど行なわれていませんが、一応順を追って記してみます。

 

 

 

皮膚まさつ療法

 

乾いた布や、ブラシなどを用いて、皮膚が赤くなるくらいこする方法です。
これによって皮膚の抵抗力を増し、末梢血管を拡張させて血行をよくし、カゼの予防と、体力増進に役立ちますが、高血圧の進んだ人には強すぎると思います。

 

 

 

入浴・温泉療法

 

入浴は、気分転換によるストレス秋全と、血行をよくする効果がありますので、血圧を下げます。
お湯はぬるいのがよく、あつい湯はよくありません。
とくに、腎性高血圧やリウマチ性高血圧によいといわれています。
ただし、重い高血圧の症状や、心臓に高度の障害がおるような人は、入浴によって症状が急変することもありますので、注意を要します。

 

温泉療法は、すべての病気によいというものではありません。
温泉の種類(泉質)、入浴の回数および時間、季節、症状の軽重その他の条件によって、効果もちがいます。
団体旅行などで温泉地に行き、宴会のあとで入浴したら心臓マヒを起こしたというような例もすくなくありません。

 

これは、入浴に対する知識がなかったことが主な理由といえます。高血圧の人ではぬるい温泉で、泉質は炭酸泉、硫酸、石灰泉、ラジウム泉などがよいわけですが、温泉療法をはじめようとするときは、かならず医師に相談して、指導をうけるようにしてください。

 

温泉療法の一般的な効果としては、つぎの点があげられます。

 

  1. 体重が減り、マヒのある手足の運動がらくになります。
  2. 利尿作用をうながします。
  3. 血行がよくなり、新陳代謝が活発におこなわれて、老廃物が排出されます。
  4. 温泉の化学成分による化学的な作用の効果
  5. があります。飲用にするのはその一つの方法です。

 

 

 

はり・きゅう療法

 

はり療法も、きゅう療法も、自律神経系のアンバランスを、刺激によって調節する方法です。
自律神経系のアンバランスによって起きた、循環障害を除く効果があるので、高血圧に有効とされています。

 

はり療法は機械的な刺激、きゅう療法は温熱刺激を利用するものですが、自己判断で治療をはじめることは禁物です。
よい施術者を選ぶことが大切です。

 

 

 

指圧療法

 

近年、マスコミで一般に知られるようになりましたが、やはり刺激療法の一種です。
信用のある施術者を選ぶことが大切ですが、高齢の人には適当でありません。

 

 

 

陰イオン療法

 

イオンというのは、正または負の電気をもつ原子や原子団のことです。
原子は、幅射線や放射線によってイオン化し、電解質は水にとかすとイオン化します。
このような溶液を電気分解するさい、陰イオンと陽イオンとができます。
このうちの陰イオンを吸収すると、高血圧によい効果があるということで、人工的に陰イオンをつくり、これを患者に吸収させる療法がおこなわれています。

 

この方法は、時間や回数を多くしても害がなく、副作用もない安全な療法として、大学病院でも採用しているところがあります。

 

 

 

高周波療法

 

電気を、電磁波として利用する療法です。
高周波の電流には、熱作用がありますので、これを温熱療法として利用するものです。
超短波療法はその一つであって、たとえば腎性高血圧の場合には、腎臓に超短波をあてて血行をよくし、血圧を下げようとする試みがあります。

 

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